社内で作る!動画制作チームの役割分担と運営マニュアル【完全保存版】

企業SNS動画運用研修を受講し、撮影や編集のスキルを身につけた社員が社内に増えたとしても、それだけでSNS運用がうまくいくわけではありません。研修で得た知識や技術を実務で活かすには、組織的な運用体制を作る必要があります。
動画は、企画・撮影・編集・配信・分析という複数の工程を経て初めて成果を生みます。これらを一人で全て担うことも可能ですが、長期的に継続するには無理があります。そこで重要になるのが、役割分担を明確にした社内動画制作チームの構築です。
この記事では、社内でのチームづくりのステップから役割分担、マニュアル化の方法、運営を円滑にする仕組みまで徹底解説します。
1. チーム立ち上げ前に「動画運用方針」を固める重要性
多くの企業が陥りがちなのは、方針を明確にしないまま動画制作を始めてしまうことです。方針がない状態では、メンバーが個別に判断して動くため、動画のテイストや品質にばらつきが出たり、方向性が途中で変わってしまったりします。
動画運用方針は、チームの共通認識をつくる設計図のようなもので、次のような要素を盛り込みます。
まず、動画を何のために運用するのかという目的を明確化します。売上を伸ばすためなのか、新卒採用を強化するためなのか、ブランドの知名度を上げるためなのか、目的によって必要な企画も、使うSNSも変わってきます。
次に、ターゲット層の定義です。たとえば同じ商品でも、20代女性に見せたい内容と50代男性に見せたい内容では、動画の構成もビジュアルも大きく異なります。ターゲットの年齢、性別、職業、ライフスタイル、SNS利用時間帯まで想定することが大切です。
さらに、配信媒体の選定も重要です。YouTubeは長尺でもじっくり見てもらえますが、TikTokは15秒程度の短尺が効果的。Instagramはビジュアル重視、LinkedInはビジネス色の強い内容が向いています。どこに配信するかで、編集の方向性も大きく変わります。
最後に、KPI(重要業績評価指標)と投稿スケジュールを決めます。週に何本投稿するか、どの曜日・時間帯に配信するかを決め、成果指標として再生数や視聴維持率、クリック率などを設定します。
事例:アパレル企業A社
A社は運用方針を1ページのガイドにまとめ、クラウド上で全員がいつでも確認できるようにしました。これにより、新しいメンバーが参加しても方針の説明に時間を割かずに済み、制作の方向性が一貫しました。
2. 動画制作チームの基本構成と役割
動画制作の流れは「企画 → 撮影 → 編集 → 配信 → 分析」という工程に分けられます。それぞれの工程には異なるスキルや作業内容があり、適切に分担することで効率と品質が向上します。
企画担当は動画のテーマや切り口を決め、ターゲット層に合わせた構成を考えます。市場調査や競合分析もここで行い、視聴者が興味を持つ題材を選びます。
撮影担当はカメラや照明、マイクなど機材の準備と操作、現場での進行管理を担います。撮影現場の雰囲気づくりや出演者とのコミュニケーションも重要です。
編集担当は素材をつなぎ合わせ、不要部分をカットし、テロップやBGMを入れて動画として完成させます。SNSの仕様に合わせたフォーマット変換も行います。
配信担当は完成した動画を各SNSに投稿します。適切な投稿文やハッシュタグを付け、最適な時間帯に配信することでリーチを最大化します。投稿後のコメント対応やフォロワーとのやり取りもこの役割です。
分析担当はKPIをモニタリングし、データから改善点を洗い出します。再生数だけでなく、視聴維持率やエンゲージメント率、クリック率など複数の指標をチェックします。
事例:食品メーカーB社
B社では5人でこの役割を分担し、1人が複数役割を兼任する形で運用。メイン担当を明確化したことでタスクの抜け漏れが減り、動画の品質が安定しました。半年でチャンネル登録者数が2倍になり、問い合わせ数も増加しました。
3. 役割分担の決め方と現場の工夫
役割分担はスキルだけでなく、本人の適性や興味も考慮するのが理想です。編集経験者を無理に配信担当にするよりも、得意な領域で力を発揮してもらったほうが成果につながります。
ただし、属人化を避けるために、複数人が同じ役割をある程度カバーできるようにしておくことも重要です。たとえば編集担当が不在でも、企画担当が簡単な編集をできるようにしておけば、緊急時に制作が止まることを防げます。
小規模チームでは兼任が前提になるため、作業負担が偏らないようにローテーションを取り入れる方法も有効です。また、役割の変更や追加は定期的に見直すことで、メンバーのモチベーションを維持できます。
事例:サービス業C社
C社では、全員が最低限の編集スキルを学ぶ社内研修を実施。結果として、担当者の休暇や退職時でも業務が滞らなくなりました。
4. 運営マニュアルの作成とアップデート
運営マニュアルは、チームの品質と効率を保つための土台です。作成の際は単なる手順書ではなく、動画制作の意図や注意点も盛り込みます。
まず、制作工程を全て洗い出し、それぞれの工程で必要な作業を細かく分けます。たとえば「撮影準備」という工程も、機材準備、撮影許可の取得、出演者のスケジュール調整といった複数のタスクに分かれます。
次に、それぞれの工程に必要なツールやテンプレートを記載します。さらに、作業を忘れないようチェックリスト化しておくと、担当者が変わってもミスが減ります。
マニュアルは一度作ったら終わりではなく、新しいノウハウや改善点が出るたびに更新します。更新履歴を残すことで、改善の経緯も追えるようになります。
事例:IT企業D社
D社はGoogleスプレッドシートを使い、進行状況をリアルタイムで共有。マニュアル内のリンクからすぐに進行表を確認できるため、全員が同じ情報をもとに動けるようになりました。
5. 情報共有と改善の仕組み
動画制作は情報共有のスピードと精度が成果に直結します。週1回の定例ミーティングで進捗を確認し、課題を洗い出します。制作途中の素材や参考資料はクラウドにまとめ、誰でもアクセスできる状態にします。
さらに、月1回の分析報告会でKPIの結果を全員で確認し、改善案を企画に反映します。このサイクルを継続することで、動画の質と効果が少しずつ向上します。
事例:小売業E社
E社はSlackに動画制作専用チャンネルを作成。企画案、撮影素材、参考リンク、進捗状況などを一元管理することで、やり取りの時間を削減し、制作スピードが上がりました。
6. 研修との接続と組織文化への定着
企業SNS動画運用研修で学んだスキルは、個人だけでなく組織全体に広げることで最大限の価値を発揮します。研修後すぐにチーム編成とマニュアル整備を行い、運用サイクルを確立することが、動画活用の文化を社内に根付かせる近道です。
まとめ
動画制作チームは、役割分担、マニュアル、情報共有、改善サイクルが揃って初めて成果を出せます。
明確な方針を共有し、得意分野を活かしつつ属人化を防ぎ、データをもとに継続的に改善する。これが、企業SNS動画運用を長期的に成功させる鍵です。
📩 お問い合わせ・資料請求はこちらから
社員向けの動画編集・YouTube研修をお考えの企業様へ
「動画を社内で作れるようにしたい」「YouTube運用を内製化したい」
Megrasではそんな企業様に向けて、実務に直結する研修プログラムをご用意しています。
資料請求や無料相談をご希望の方は、下記よりお気軽にどうぞ。
▶ [資料をダウンロード]
▶ [無料相談の問い合わせ]